なんだかんだとべらぼうにあわただしく、半月以上、このブログのトップ記事がドアラで失礼しました…。
先週は、母の入院のための付き添い(主に荷物持ち)のため、朝まで仕事→寝る暇も食べる暇もなく出発→荷物抱えたまま階段から転げ落ちそうになり、とてもビビりました。私まで病院送りになってどうする。
手術(足の手術)の説明を受けるため、主治医の先生の外来が終わるまで病室で待ってたのですが、徹夜の私は死に体だったので、用意されたばかりのベッドで私が仮眠をとらせてもらい、そのとなりに入院する当人の母が座ってたら、病室にやってきた看護婦さんが「!??」と驚いてました。オウ。
そんなこんなありつつ、ようやくもろもろが一段落したので、映画のDVDを観ました。
ブリジット・バルドー(BB)の引退作「ドンファン」と、鈴木清順監督作品「陽炎座」を。
かなり前に衝動買いしたまま延々放置してたんですが、どちらもすごくよかったです。
BBの出演映画は、映画が映画として優れているかどうかではなく、BBの魅力をいかに引き出してるか、その一点に尽きると思うんですが、引退作の「ドンファン」は、観ているこっちがいろいろ考えていろいろこみあげてくるものがあって、終盤は泣きっぱなしでした。挿入歌というか主題歌がまた切なくて…。
そして、いろんな演出が仕掛けてあるフランス映画はやっぱり素敵です。
裸体やベッドシーンより、手を洗ってるどアップ画面が一番エロティックでした。
「陽炎座」のほうは、さすがは鈴木清順監督……と申しあげるしか。
映画というより舞台、そして歌舞伎的演出がふんだんに盛り込まれてるんですが、でもこの映像は舞台では無理だわ……というあの発想力と空間美は、いったいどこからあふれてくるものなのでしょう。作中で、妖かしどもが云々というシーンがあったのですが、凡人からしてみれば、このような世界を生み出す監督がなによりも誰よりも妖かしでごんす。
「金沢夕月楼にてお待ち致します。三度び(みたび)お会いして、四度目の逢瀬は恋になります。死なねばなりません。それでもお会いしたいと思うのです」は、最高に耽美な手紙だと思います。
そうやって、ただただ圧倒されながら観てるうち、なんだかいろいろ触発されて、あわててメモとったり。金沢や、大正ロマンあふれるお店に行きたくなってウズウズしたり。
ちなみに清順監督の大正三部作の一作目、「ツィゴイネルワイゼン」を観ると、もれなく鎌倉に行きたくなり、腐りかけの水蜜桃にかぶりつきたくなります。非常にわかりやすい傾向です。
「陽炎座」の原作者(泉鏡花)つながりで、寺山修司監督作品「草迷宮」のDVDも観たくなったんですが、これはまた機をあらためて。
いま観たらぜったい、「マッチ箱におさまった少女」とか「砂漠に敷かれた帯」とか「庭先の木に拘束された少年」とか「スイカ人間」とか「男の美尻」とか出てくる悪夢見そう………あ、いえ、拘束少年と美尻はいいんですけどね?(いいのか)
とりあえず、エネルギーもぼちぼち補給できてきたので、年末以来ぶっつり途絶えまくっている各方面へのあれこれをこなしたいです……。