以前、PC版の雑記で紹介していたDVDを、ブログのほうでも再紹介。
これは、イギリスのテレビ局・チャンネル4が「百年前の階級社会を三ヶ月に渡って再現しよう!」という意気込みのもとに制作した番組の日本語版DVDです。
舞台となる「百年前の英國」は、エドワーディアン。
ヴィクトリア女王の時代(ヴィクトリアン)を受け継いだ、エドワード王の時代です。
そのころの貴族一家と、メイドや執事といった「階下の人々」の暮らしを、「配役はせどもシナリオはなし」というスタイルで作られたドキュメンタリーなのですが……百年前の生活をジオラマのように無機質に再現するのではなく、階級社会が生み出す光と影、階下の暮らしの厳しさ、主人と使用人のあいだに生まれるさまざまなギャップ、そして、「現代」と「エドワーディアン」のあいだに横たわる百年という歳月の意味まで知ることのできる、味わい深い作品です。
これはもう、スペシャル級にオススメ。
英国好き、ヴィクトリアンないしエドワーディアン好きは身悶え必至の逸品です。
本編は全六話、合計五時間にわたるものなのですが、イギリスらしく、細部までこだわりにこだわった映像から一瞬たりとも目が離せず、トイレに行くことすら放棄して(笑)、五時間ぶっとおしでガン見しました。
そのあとに襲ってきた眼精疲労さえ、あの筋書きなしの人間ドラマと映像美の前には屈伏。
老紳士大好きな私は執事のエドガーさんが好きで好きでたまらなかったのですが、フランス人シェフのムッシュー・デュビアが大変素敵なスパイスになっていて悶絶しました。
どこにいてもフランス人はフランス人、個性的でマイペースでレジスタンス精神旺盛なんだなぁ、としみじみ。
慰安パーティの最中、屋敷の主のサー・ジョンに対してムッシュー・デュビアが正面きって意見するシーンは必見です。
あと、序盤で登場する「ハウス・メイドの心得」に、目がまんまる。メイドは、赤不浄の有無の報告まで義務づけられていたんですね……(でも、当時の赤不浄用の下着がどんなものなのかも判明して、「おお!」と手ポムでした)
それと、「眼鏡をふたつかける」というのは、本当にするんですね……。これもまた手ポム的感動。
このDVDは、
「MANOR HOUSE」公式サイトのみで販売されています。
気になった方は、是非とも公式サイトにアクセスを。
いろんな映像やピックアップ記事があって、見応えたっぷりです。
「映画よりドラマティック」という謳い文句は伊達じゃありませんぜ旦那!(誰)